営業が苦手な人に読んでほしい!3つのコツとテクニック【話し方編】

営業の最終目的は、商品やサービスをお客様に買ってもらうことです。
しかし、信頼関係もできていないうちからいきなり売り込んでも、商品は売れません。
この記事では、お客様との信頼関係構築の基本になる話し方を実例つきでわかりやすく解説します。
また、価格交渉で値切られた際、ピンチをチャンスに変える対処法についても解説します。

 

商品の良さを説明しても売れない

「商品は良いのに、なぜ売れないんだろう」と思っていませんか?
現代は、物が余っている時代です。
生きていく上で絶対に必要なものが足りないということは基本的にありません。
商品の良さを説明するということは、言い換えるなら、相手にとってのその商品の必要性を説明するということです。
しかし、現在は生きていく上でどうしても必要なものは、みんな既に持っているわけですから、商品の良さ(必要性)を相手にいくら説明しても、「また今度ね」と言われてしまうわけです。

 

このような場合の対策として、二つの方法があります。
一つは、商品にストーリーをもたせて、そのストーリーを売るという方法です。
もう一つは、自分という人間性を売り込んで、お客様に「あなただから、買いたい!」と言ってもらって売るやり方です。
それぞれのやり方を詳しく解説します。

①商品のストーリーを売る

例えば、私はアパレルショップを経営しているのですが、今年の冬の新商品として、車のスタッドレスタイヤと同じ素材のゴムを靴底に使用しているという靴というのが入荷してきました。
この靴を売る場合、単純に「スタッドレスタイヤと同じゴムを使用しているので、滑りにくいですよ!」とメリットを説明しても、なかなか売れません。
その理由は簡単です。
お客様が商品を買うときというのは、基本的に感情が揺さぶられた時だけだからです。
さっきの説明を聞いたとしても、お客様からすれば「あー、そうですか」程度の感想しか持たず、感情を揺さぶられるということはありません。
そこで、私はこの商品にストーリーを持たせることにしました。
実は、私の店の常連さんの中で、昨年の冬に歩道の上で滑って転倒して骨折してしまった人が2人いました。
この事実と『滑りにくい靴』という商品を結びつけて、ストーリーを作りました。
そのストーリーとは、こうです。

 

「うちの常連さんの中で、去年道路で滑って転んで骨折した人が二人もいるんですよ。
骨折なんてしたら、大変じゃないですか。
二人のうちの一人は、骨折が理由で仕事まで辞めてしまったんです。
大変だな~と思って、私も心配してたんです。
そしたら、今年、うちと取引しているメーカーの方から、スタッドレスタイヤと同じゴムを使用した滑りにくい靴が新商品であるんですが、どうですか?と提案されたんです。
うちの店では、靴はあまり扱わないんですが、常連さんが二人も骨折したことを思い出して、この靴だったらお客さんの為になるなと思ったんです。
値段は多少しますが、骨折を防げると思えば決して高い買い物ではありません」

 

私は、その靴を見ているお客さんに声をかけて、全員にこのストーリーを語りました。
結果は、完売しました。
2回追加注文しましたが、全て完売です。
その商品のストーリーを語って、お客様の感情を揺さぶることができれば、現代のような物が余っている時代でも商品は売れます 。
あなたが扱っている商品一つ一つにストーリーを持たせて、興味を少しでも持ったお客様には、その商品のストーリーを語るということをしてみてください。

 

②自分の人間性を売り込む

もう一つのやり方として、『自分の人間性を売り込む』という方法があります。
特に、お客様との関係が長期間に及ぶ場合は、このやり方が重要になります。
人間性を売り込むとは、簡単に言えば、相手にとって自分は好ましい人間だと思ってもらうということです。

プライベートの話をする

好ましい人間だと思ってもらうためには、まず相手との心の距離を縮めなければいけません。
そのための方法の一つとして、『プライベートな話をする』というやり方があります。

 

ある心理学の実験で、見ず知らずの男女を集めてカップルを何組か作り、できたカップルを二つのグループに分けました。
そして、片方のグループのカップルには自由に会話を楽しんでもらい、もう片方のグループのカップルには「プライベートな話をしてください」と注文をつけました。
実験後にアンケートを取ったところ、「プライベートな話をしてください」と言われたグループの方が、自由に会話をしていたグループよりも、相手に対して親近感を持った割合がかなり高かったそうです。
実験では、急に「プライベートな話をしてください」と言われたわけですから、話す方もかなりぎこちなかったはずです。
それでも、自由に会話をするよりも印象が良かったというのは重要な点です。

 

しかし、心の距離を縮めるために、実際にお客様相手にプライベートな話をしたくても、相手のプライベートを根掘り葉掘り質問したのでは、おそらく相手から嫌われてしまいます。
 では、どうすればいいでしょうか?

返報性の原理を利用する

返報性の原理というのは、例えば誰かに親切にされたら、その人に親切で返したくなるといったような、『お返しをしたくなる心理』のことです。
特に、日本人はこの傾向が強いと言われています。
これを利用して、プライベートの話もまずこちらから切り出すようにします。
例えば、休みの日にどこへ行ったかなど軽い話題から始めて、家族の話とか学生時代の話など、徐々に掘り下げていくとよいでしょう。
自分のプライベートの話をした後に、「○○さんはどうですか?」という感じで相手に振れば、相手からプライベートな話題をスムーズに引き出すことができます。

 

失敗談を話す

自分の失敗談を話すというのも、相手との距離を縮めるためにはとても良い方法です。
例えば、心理学には『シャーデンフロイデ』という用語があります。
シャーデンフロイデとは、自分が手を下すことなく他者が不幸、悲しみ、苦しみ、失敗に見舞われたと見聞きした時に生じる、喜び、嬉しさといった快い感情。ドイツ語で「他人の不幸(失敗)を喜ぶ気持ち」を意味する。
人間は、自分を喜ばせてくれたり、嬉しい気持ちにさせてくれる相手に対しては、自然に良い印象を持ちます。
つまり、自分の失敗談を話してシャーデンフロイデの性質を利用するということは、相手に良い印象を持ってもらうためには、とても良い方法だということです。
実は、マジシャンもこの方法をうまく使っています。
マジックというのは、種を見破ってやろうとして、どうしても批判的に見る人が一定数いるものです。
そのような人が現場にいるのは、マジシャン側としては好ましくありません。
そこで、わざと失敗したふりをして、批判的な目で見ている人たちを喜ばせるんです 。
この時、マジシャンに喜ばされた人たちとマジシャンとの心の距離は、最初より近くなっています。
こうやって、観客がマジックを好意的に見る下地を作るわけです。
 そして、「さっきの失敗は本当は失敗ではなくて、最後のマジックへの伏線でした」という流れで、クライマックスに持って行きます。
そうやって、会場の空気をひとつにして盛り上げるわけです。

勉強させてくださいと言う

人間は、誰でも必ず他人より詳しい分野というものを持っています
そして、自分が詳しい分野や得意な分野について話すのが嫌いだという人間は、絶対にいません
たとえば、一般的にコミュニケーションを他人と取るのが苦手とされている『オタク』と呼ばれる人達であっても、もし自分が大好きな鉄道の話を振られたら、喜んで話しまくるはずです。
この例のように、相手がもし話しにくそうに見える人物であったとしても、相手の得意分野を会話の中から探って、その分野について「教えてください!」と言えば、相手は喜んで教えてくれるでしょう。
自分を喜ばせてくれる人を嫌いになる人はいませんから、相手は当然あなたに対して好印象を抱くようになります。

「こっちの身になってくださいよ~」と言ってみる

これは、実は意外と使えるテクニックです。
このままの言葉で言ってしまうと、相手によっては失礼になってしまうので、言葉を少し変える必要があるかもしれませんが、要は相手にこちらの立場を一瞬でも想像させれば OK です。
たとえ一瞬であっても、相手にこちらの立場を想像させれば、相手は結構こちらの立場になって考えてくれます。
実際の実験でも、「こちらの身になってくれ」とお願いすると、協力的な提案をもらえる確率が、25%→58%に上がったそうです。
「今日中に全部売って帰らないと、親方に殴られるんです!!」のような売り文句は、このやり方の応用例といえます。

③値切られた場合の対処法

営業活動していると、値切られることがよくあります。
よくあることなので、最初から対策を考えておきましょう。
まず第一に、値切られた時に一方的に相手の要求を飲むのはよくありません 。
人間関係というのは、どちらかが一方的に得をして、どちらかが一方的に損をするという関係は長続きしません
相手との良好な関係を長続きさせるためにも、相手から値切られた時は、必ずこちらからも要求を出して話を詰めましょう。
例えば、相手から値切られた時は、「じゃあ、もっと買って下さいよ~」と、即座にユーモアっぽく返すと決めておくとよいでしょう。
ユーモアっぽく返せば、相手が嫌に感じることもないでしょうし、「自分の要求だけ通せ」といった自分だけに利益がある要求をするのも、心理的に難しくなります。
たくさん買ってくれるなら、多少の値引きであればこちらも問題ないわけですから win-win です。
実際、このパターンで商談が決まるケースは結構あります。
こうなれば、相手からの値下げ要求は逆にチャンスということになりますので、ぜひやってみてください。

まとめ

相手の心理を考えて行動すれば、営業はかなりやりやすくなります。
この記事でご紹介した営業のコツやテクニックは、私が実際に試して効果が高かったものだけを集めています。
ぜひ、実際の仕事で試してみてください。
ところで、「商品やサービスそのものがもっと良かったら売れるのに・・・」と思ったことはありませんか?
個人のスモールビジネスや中小企業向けの商品企画の仕方については↓↓↓の記事にまとめておりますので、よろしければ参考にしてみてください。

 

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