この記事では、僕が実際に販売の仕事で使ってみた中で、特に効果が高かったと思った心理学のみを解説します。
この記事を読むことで、販売の現場で実際に使える3つの心理学を学ぶことができます。
商品の見せ方
ラーメン屋さんの券売機で、あまりにも種類が多すぎると、お客様は商品を選択するのに迷って疲れてしまいます。
例えば、図のAのグループから一つ選べと言われても、決めるのに少し時間がかかりませんか?
逆にBのグループからなら、それほど時間もかからずに直感的に決めることができると思います。
ラーメン屋さんの券売機なら、元々お客様は買う気で来られているので、まだ良いのですが、営業先で使うパンフレットなどで、商品の掲載数が多すぎてお客様が選択疲れを起こすと、「選択回避」といって、商品を選ばないという行動を起こすようになります。
こうなると、商品が売れづらくなります。
同じグループの商品は、できれば3種類、多くても5種類までにすることで、お客様の選択疲れからくる選択回避を防ぐことができます。
どうしても商品数を減らせない場合は、「店長オススメ!」とか「当店イチオシ!」などのポップを作って、お客様の視線を誘導することで選択疲れの状態にしないように工夫すると良いでしょう。
商品と価格の配置
人間が文字を読むときは、通常左から右に読んでいきます。
人間の目は、この動きに慣れているので、何かを観察するときも、通常は左から右に視線を動かして観察していきます。
例えば、本屋さんに行って本棚から本を選ぶとき、人間の視線は何となく本棚の左から右に動き、その後引き返して真ん中あたりで止まります。
そして、真ん中あたりにある本を何となく手に取る傾向があります。
このように、人間には「真ん中のもの」や「中間のもの」に手を出しやすいという性質があります。
そして、人間が「真ん中のもの」や「中間のもの」を選びやすいという傾向は、価格についてもいえます。
松・竹・梅のような異なる3つの価格を提示された時、真ん中の竹の価格の商品を選んでしまう心理を心理学ではゴルディロックス効果といいます。
ここでぜひ押さえておいていただきたいのは、全く同じ商品であっても、一番安い値段が一番売れるわけではないということです。
つまり、売りたい商品がある場合、可能な限り安い値段をつけるというのは、心理学的にいうと間違いなんです。
図の2:5:3という数字は、商品が売れる比率を表しています。
松の価格が大体2割、竹が5割、梅が3割くらいの比率で売れるといわれています。
そこで、商品の値段を決める際は、次のようにするとよいでしょう。
- ①¥4900 → ¥4900
- ②¥4700 → ¥4700
- ③¥4500 → ¥4700
- ④¥4300 → ¥4500
① ¥4900は、もし値上げして¥5000以上になってしまうと、心理的に高く感じてしまいます。
逆に値下げしてしまうと、ゴルディロックス効果でいう「松」の価格帯の商品がなくなってしまいます。
ゴルディロックス効果をうまく使うためには、比較対象として少し高い価格帯の商品も必要なので、①¥4900の商品の価格には手を加えず、このままにします。
②¥4700は、 最も売れることが期待される価格なので、このままにします。
③¥4500は、 このままの価格にするよりも、200円値上げして¥4700にした方が、ゴルディロックス効果により、売れることが期待できるので値上げします。
④¥4300は、 さっき③4500円の商品を値上げしてしまって、4500円の価格帯の商品がなくなってしまったので、200円値上げして4500円にして全体の帳尻を合わせます。
このように価格を調整すれば、全く同じ商品構成であっても、ゴルディロックス効果により、売上を上げることが期待できます。
YESをもらえる確率を約30%アップさせる方法
学生寮で行われたコピー機の実験では、理由を言うだけで相手から YES を引き出す確率が約30%もアップしました。
理由はしょうもない理由でも一応 OK です。
「理由を言う」ということが、相手から YES を引き出す上では重要です。
新商品を作る時も「今年は豊作につき○○円!」とか「これまで裏メニューでしたが、問い合わせがあまりにも多いので表メニューで出します!」など、理由を書いた方が良い結果につながります。
また、メニューやパンフレットを作るときに、スタッフの顔写真やイラストを載せると、お客様に見てもらえる確率がアップします。
これは、人間の目の視神経には「人の顔」だけに反応するものがあるためです。
メニューやパンフレット、自社の EC サイトなどに、スタッフの顔写真やイラストを入れることで注目度がアップします。
さらに注目度を上げる方法として、スタッフの名前を書き込むというのも有効です。
メニューの中で押したい商品に「スタッフ佐藤イチオシ!」みたいな感じで、顔写真と一緒に個人名も書くようにすると、親近感が湧いて注目度はさらに高くなります。
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