社会人がする勉強は、大きく分けて二つあります。
一つは、仕事や就職するために必要な資格を取るための勉強です。
もう一つは、自分が興味を持ったことに対して、知識と理解を深めていくための勉強です。
この二つのうち、社会人にとって本当に必要なのは、前者よりも後者の勉強です。
この記事では、その理由と勉強方法について解説します。
目次
資格を取っても、すでに飽和状態
一昔前は就職難だったので、資格を取ることが流行りました。
資格を持っていると、就職や転職で有利だったからです。
でも、現在はどうでしょうか?
将来に対する不安から、様々な資格の人気は高まるばかりです。
そうすると、せっかく努力して資格を取っても、周りもみんな同じ資格を持っているという状況になり、差別化できなくなります。
つまり、資格を持っているだけで圧倒的に有利という状況が少なくなってきているわけです。
AI の投入
さらに今後は、 AI が漸次に投入されていきます。
そんな中で、今後社会から求められる人材は、同じインプットをすれば、同じアウトプットが返ってくる機械のような人間ではないはずです。
では、どのような人間が求められるのか?
それは、一言で言えばイノベーションを起こせるような人材です。
イノベーションを起こす人間とは?
イノベーションを起こす人間とは、少なくとも資格取得の勉強のみをしているような人間ではありません。
イノベーションを起こす人間とは、ズバリ自分が興味を持ったことに対して、知識と理解を深めていく勉強をしている人間です。
アップルコンピュータでイノベーションが起きた理由
例えば、アップルコンピュータのスティーブ・ジョブズは、大学時代にカリグラフィーの授業を受けていたので、コンピューターの文字のフォントを初めて見た時、「なんてセンスがないんだ」と思ったといいます。
一見関係のないカリグラフィーとコンピューターですが、この二つを融合させることでイノベーションが起こり、アップルコンピュータには『芸術性』という価値が付加され、世界的な企業に躍進したのはご存知の通りです。
勉強の効果を上げるには?
勉強の効果の面でも、自分の興味があることを勉強するのは大事です。
これは、勉強のモチベーションにはっきり影響します。
自分が好きで勉強していることは、勉強自体が楽しいから高いモチベーションを維持できます。
しかし、ここから先がとても大事なのですが、興味がないことをいやいや勉強すると、人間は少ない労力で最大の効果を得ようとばかり考えるようになり、勉強に深みがなくなってしまうんです。
目の前にニンジンをぶら下げて走らせるのは、本当に効果的か?
今、説明したのと同じ理由で、子どもや部下のモチベーションを上げるために、目の前にニンジンをぶら下げるのも逆効果です。
目の前にぶら下げられたニンジンのことを心理学では『予告された報酬』と言いますが、予告された報酬は、学習や仕事そのものに対する意欲や挑戦する気持ちを失わせ、いかに少ない労力で大きな報酬を得るかということのみに、人の気持ちを向かわせてしまいます。
勉強そのものが楽しいと思える分野を見極めよう!
せっかく勉強するのだから、自分の好きな分野を勉強しなければもったいない!
この勉強は、一生続けていきたいと思う分野を見つけて勉強すれば、おのずと学ぶ内容は深くなっていきます。
勉強といっても、机に向かってする勉強ばかりが勉強ではありません。
例えば、陶芸とか秘境巡りのようなものでも良いと思います。
自分が深めている趣味と既存の何かを結びつけることができる人間、つまり、全く関係がないように見える点と点を結んでイノベーションを起こせる人間が、今後社会から、ますます求められるようになると思われます。
コメントを残す