初心者必見!プレゼンのコツとテクニック【話し方編】

プレゼンのコツを知らないというだけで、多くの人たちは大変な損をしています。
実際にちょっとしたコツを身につけるだけで、プレゼンの説得力は大きく上がります。
この記事では、筆者がプレゼンを研究し、講演などをした際に実際に試してみて、効果の高かった方法について解説します。

スピードを意識する

慣れていない人のプレゼンを注意深く聞いてみるとわかると思いますが、プレゼンに慣れていない人は、ずっと同じスピードで話します。
結論から先に言うと、これは一番良くない話し方です。
なぜなら、常に同じスピードで話していると、どこか事務的で、感情がこもっていない印象を相手に与えてしまうからです。

 

人間は感情の生き物です。
感情で人は動きます。
相手の心を動かすということは、相手の感情を動かすということなんです。
相手の感情を動かすためには、こちらも感情を込めて話すか、少なくとも相手から見て感情を込めて話しているように見える必要があります。

 

あなたが過去に聞いたプレゼンや講演で、一番感動した話を思い出してみてください。
その時の話し手は、まるであなたの感情に訴えかけるような感情的な話し方をしていたのではありませんか?
感情には、人を動かす力があるんです。

 

ところで、相手の心を動かすためには、普通の速度で同じように話すのではいけないとすると、どのようなスピードで話すのが最適なのでしょうか?
例えば、ゆっくり話すというのはどうでしょう。
ゆっくり話せば、相手も聞き取りやすいし、それゆえに話を理解してもらえやすくなるので良さそうです。
でも、ゆっくり話すという方法は、実はあまり良くありません。
少し前までの心理学では、ゆっくり話すのが最良とされていましたが、今は違うんです。

 

現在一番良いとされているのは、『早口』でしゃべることです。
なぜなら、早口で喋ると、自信と知識を持っているように相手からは見えます
そうすると、権威性が発揮されるので、権威効果によって説得力が高まるんです。
権威効果というのは、『人間は権威のある人の言うことは信用しやすくなる』ということを表す心理学用語です。
テレビなどでも、医者や弁護士という肩書きを持っている人の言うことは、あなたも信用してしまうんじゃないですか?
これを応用しているのが詐欺師です。
詐欺師が、なぜか白衣を着ていたり、高級ブランドのスーツなどを着ている場合が多いのは、権威効果を利用して相手を信じ込ませやすくするのが目的なんです。

 

さて、本題に戻って早口の使い方を説明します。
話し始めは、興味を持ってなさそうな人に話す時は、相手がギリギリついて来れるくらいの早口で喋ります。
そうやって喋ると、相手は話についていくのが精一杯で、批判も生まれにくくなるということが分かっているんです。
だから、相手に反対されそうなことを言う時は、早口で言った方が良いということになりますね。
相手に突っ込まれたら嫌だと思う部分は、早口で喋って自信があるように見せるというのも一つの方法です。

 

まとめると、相手に批判させたくないとか、相手を聞く態勢にしたい時は、早口でまくしたてるように話すようにします。
逆に、相手が話しにのめり込んで来たり、相手の記憶に残したい部分は、ゆっくり話すようにします。

 

サイレントフォーカスを利用する

サイレントフォーカスとは、メンタリズムのテクニックの一つです。

意図的に沈黙(サイレント)することによって、観客の注目を集める(フォーカスする)ことをいいます。

プレゼンに当てはめて具体的に説明するなら、話の途中で『間』を作って、聴衆の注目を集めるということです。

 

実際の現場でサイレントフォーカスを使うときは、間を作ることによって相手に、「何か大事なことを話すのかな?」と思わせることが大事です。
これをうまく使っているのが落語家です。
落語の世界でも、間が大事だと言われています。
話のオチなどの大事なことを言う前に、一瞬『間』を作ることによって、注目を集めるようにしています。

 

最後に、間の長さについてですが、間を置いたら頭の中で、「 1、2」と数えると良いです。
大体2カウント~3カウントくらいが丁度良いです。

 

 

話題について

プライベートな話題を必ず盛り込む

プレゼンをする時に、企画の話ばかりしても説得力は生まれません。
あなただって、どんなに良い話をされたとしても、相手がどこの誰だか分からないのであれば、信用しませんよね?
プレゼンも同じです。
相手との心の距離を縮める必要があるんです。

 

プレゼンの時など、短時間で相手との心の距離を縮めなければいけない時に有効なのが、プライベートの話題を話すことです。
心理学の実験でも、プライベートの話題をした場合としない場合では、プライベートの話題を無理やりでもした方が、心理的な距離が縮まることが分かっています。
プレゼンでは、あなたの趣味や、あなたの人となりを表すものは、積極的に見せて行った方がいいです。

 

失敗談を話す

プライベートの話で、僕が実際に試してみて効果が高かったのは、『自分の失敗談』を話すことです。
人間は、他人の失敗を見たり聞いたりした時に、喜びや嬉しさといった快い感情が生じます。
心理学では、これを『シャーデンフロイデ』といいます。
つまり、自分の失敗談を話すことは、注目を集めるためにはとても良い方法なんです。
例えば、このシャーデンフロイデをうまく使っているのがマジシャンの人達です。
彼らは、マジックのパフォーマンスをする際に、わざと失敗することがあります。
もちろん、それは計算されていて、その後のクライマックスをより盛り上げるために、わざと失敗したふりをして、お客さんの注目を集めているんです。

 

失敗談を話すもう一つの利点は、相手の共感を得られることです。
世の中には、完璧な人間なんていません。
自分の失敗談を話すことで、「この人でも、失敗することがあるんだな~」といった感じで、親近感を持ってもらうことができます。

 

ストーリーを語る

なぜ、ストーリーが大事なのか?

人間の心を動かすのは、体験談などのストーリーです。
ストーリーは、心にすっと入って長く記憶に残ります。
実際に、太古の昔から読み継がれているような書物は、ストーリー形式のものが多いです。
聖書なんかもストーリーですし、プラトンが書いた『ゴルギアス』や『プロタゴラス』なんかも、ソクラテスがゴルギアスやプロタゴラスと対話するというストーリーです。

また、禅の教科書ともいわれる『碧巌録』という書物の中にも、例えば梁の武帝が達磨大師と問答をした話などのストーリーがいくつも出てきます 。

つまり、人に何かを伝えたい時は、ストーリー仕立てにするのが有効だということは、人類の歴史が証明しているんです。
そのため、プレゼンをしたり、誰かを説得したりするときには、ストーリー仕立てにする能力というのが非常に重要になります。

 

ストーリーの作り方

ストーリーを他人に話す時に、ただやみくもに自分の体験談を話しても、それはストーリーを語ったことにはなりません。
ストーリーを語る際は、

 

  1. 上げて
  2. 下げて
  3. 大逆転

 

というパターンに沿って話すのがおすすめです。
 筆者が実際に試してみた感じでも、このパターンが一番人の心を引き込みやすいと感じます。
詳しく説明します。

 

まず最初は、プラスの面を見せつつ上げます。
例えば、「◯◯という業界で仕事をしているが、あるアイデアを思いついて、それを試験的にやってみたら良い結果が出た」といった感じです。
自分は何者で、どういう考えでスタートしたのか』を相手に知ってもらいます。

 

次に、失敗談を話すことで下げます。
例えば、「最初は順調だったが、仲間の裏切りや競合する他社の参入などで、どん底に落ちた」のような感じで、苦難な状況やネガティブな状況をあえて見せます。
これが映画だとしたら、『とんでもない強敵が現れて、主人公が闘っても全く歯が立たない』といった状況です。
映画を見ている人は、主人公がピンチになっているシーンを見せられることで、映画に『感情移入』してしまいます。
プレゼンなどでも、困難な状況やネガティブなことをあえて話すことで、聴衆が感情移入しやすい状況を作ります。

 

最後に、それをひっくり返して『大逆転』を演じます。
例えば、「もう本当にダメだと思ったから、金儲けのことは考えずに、お客さんの使い勝手が良くなることだけを考えて、最後の新商品を開発した。
その後は、もう会社をたたもうと思っていた。
しかし、採算度外視のこの商品を一部の人が SNS で拡散したことがきっかけで、テレビでも取り上げられ大ヒットした。
それにより、会社の業績も V 字回復した。
お客さんのことを第一に考えて商品を作っていれば、結果はついてくるということを身をもって体験しました」といった感じです。
困難に直面しているパートで感情移入が強かった人ほど、大逆転のパートでは『熱狂』します。
こうして、ストーリーが記憶に深く刻み込まれるわけです。

 

プレゼンは、ストーリーの流れを作っていくことで、断然違って見えます。

 

  1. 上げて
  2. 下げて
  3. 大逆転 

 

という構成を意識して、ストーリーを作ってみてください。

 

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